マーケティングは他者(顧客)の欲望を理解し満たす方法を考えることである。そのためには他者の視点に立たなければならない。言うは易し。本当に難しい。
本当の意味で他者の視点に立つことができたとき、私たちは大きな力を得る。「自分がこう動けば、他者(顧客)はこう動く」ということが手に取るように理解できるようになるからだ。
すべての力がそうであるように、この力は善にも悪にも使用しうる。われわれはこの力を善きものに使うべきだ。悪に使用するのは、道徳に反するだけでなく、長くは続かずいずれは滅びることになるという意味でよろしくない。
他者の心理を読み切って、その行動へ与える効果を期待しつつ行動するのは、ある種の「あざとさ」を生む。他者に行動を操作されたいと願う人は多くはないので、こういう「賢すぎる」存在に対して人々は警戒心を抱く。相手が心を閉ざしてしまえば、自分の期待する効果を得るのは難しい。
だから、私たちは善を為す決意をもたなければならない。それが誠実さとなり、他者から信用を受けることにつながる。
Google はインターネットユーザーの生態を世界でもっともよく知っている会社である。ネット広告を通じて巨大な力を得ることになった。それゆえ人々の警戒を招きやすい。それを見越して “Don’t be evil(悪を為すな)” という社訓を掲げたのである。Google は実に賢い。